Mac用サウンドボードソフト

Macネイティブのサウンドボードアプリを公式情報で比較します。それぞれの価格、サウンドの鳴らし方、ほかのアプリへの音の届け方をまとめました。

Macのサウンドボードソフトと呼べるのはどんなもの?

Macのサウンドボードソフトとは、自分の音声ファイルをパッドやタイルのグリッドから再生し、クリック、キーボード、ハードウェアコントローラーで鳴らせるアプリです。Macネイティブのアプリなら、ブラウザのタブを開いておく必要がなく、Finderからドラッグしたファイルを受け付け、ほかのアプリが前面にあってもショートカットを使い続けられます。

「サウンドボードソフト」という言葉は、さまざまなアプリを指します。そのうちプロ向けのものがカスタムサウンドボードアプリです。自分の音声ファイルを中心に作られ、それを加工、整理し、本番中に鳴らすためのツールを備えたソフトウェアです。

Macで実際に問題になるのはシンプルなことです。ゲーム、OBS、スライドショーが前面にあってもサウンドを鳴らせるか。MIDIコントローラーやStream Deckで使えるか。そして音をDiscord、OBS、Zoomにどう届けるか。以下のセクションで、アプリごとにこれらに答えます。

Macで使えるサウンドボードソフトは?

Macネイティブのサウンドボードアプリには、LitPads(無料で始められ、Proは¥5,000の買い切り。App Storeでは日本円で表示されます)、Farrago(55米ドルの買い切り)、Soundplant(非商用は無料、有料ライセンスは買い切り)、Podcast Soundboard(14.99米ドル)があります。Soundboard StudioはiPhoneとiPadのアプリで、Apple silicon搭載Macでも動きます。LitPadsはApp StoreとMac App Storeで、FarragoはRogue AmoebaのWebサイトだけで販売されています。

LitPadsは私たちが作っているアプリなので、このページでは各開発元が公開している情報だけを使っています。他社についての情報は2026年11月5日に確認したものです。他社の価格は米国での価格です。

LitPads
¥5,000(買い切り)
Farrago
55米ドル(買い切り)
Podcast Soundboard
14.99米ドル(買い切り)
Soundboard Studio
比較を参照
機能LitPadsFarragoSoundplantPodcast SoundboardSoundboard Studio
Macでの動作ネイティブアプリ、macOS 14以降ネイティブアプリ、macOS 14以降ネイティブアプリ、macOS 10.14以降ネイティブアプリ、macOS 12以降Apple silicon搭載MacでiPadアプリとして動作
価格無料版あり、Proは¥5,000(買い切り)55米ドル(買い切り、トライアルあり)非商用は無料、有料ライセンスは買い切り14.99米ドル(買い切り)無料版あり、Proは週額6.99米ドル、年額59.99米ドル、または159.99米ドル(買い切り)
ほかのアプリが前面でも使えるホットキーあり(Pro)なし、タイルのショートカットはFarragoが前面のときに使用可あり(有料版)ありストアの説明に記載なし
MIDIコントローラーあり、MIDIラーンとベロシティ(Pro)あり、MIDIラーンあり(有料版)ありストアの説明に記載なし
サウンドごとのEQとピッチあり(Pro)なしあり、キーごとストアの説明に記載なしストアの説明に記載なし
Discord、OBS、Zoomへの音声送信無料のLitLinkドライバー(別途ダウンロード)別のドライバーが必要(Loopback、99米ドルなど)ドキュメントにドライバーの記載なし別のドライバーが必要(ストアの説明ではLoopbackを推奨)ストアの説明に記載なし

出典:Farragoのマニュアル、Farragoの価格、SoundplantのFAQ、Mac App StoreのPodcast Soundboard、App StoreのSoundboard Studio。「ストアの説明に記載なし」は、開発元が触れていないという意味で、機能が存在する可能性はあります。

LitPadsは、Mac、iPad、iPhoneで動くAppleのユニバーサルアプリです。Mac版にはグローバルホットキー(Pro)があり、LitPadsの設定でオンにするだけで、macOSの追加の許可は必要なく、ほかのアプリが前面にあっても動作します。さらに、Finderからのドラッグ&ドロップ、キーボード操作、フローティングウインドウからパッドを鳴らせるQuick Panel(Pro)、右クリックメニューも備えています。

Soundboard StudioはiPhoneとiPadで動き、Apple silicon搭載MacではiPadアプリとして動作します。ボード、色、画像、フェード、トリムがあります。App Storeの説明には、パッドごとのEQ、ピッチシフト、MIDI対応の記載はありません。GOで進めるキューリストの代わりに、次のトラックの自動再生と、Proではトラックオートメーションがあります。

FarragoはMac専用です。タイルをグリッドまたはリストで再生し、タイルごとに選んだ出力デバイスで鳴らします。ほかのアプリに音を送るには、Loopback、BlackHole、LitLinkといった仮想ドライバーが必要です。MIDI、Stream Deck、OSCでの操作に対応していて、マニュアルにはタイルごとのEQやピッチの記載はありません。

Soundplantはキーボードのキーにサウンドを割り当て、EQやピッチなどのエフェクトをキーごとに使えます。グローバルホットキーとMIDIは有料ライセンスの機能です。Podcast Soundboardの説明には、MIDIデバイスへの対応、キーボードでのトリガー、ダッキング操作が記載されています。

Macのサウンドボードアプリで音質はどう違いますか?

LitPadsでは、すべてのパッドが音量、パン、フェード、トリムを個別に持ち、Proではパッドごとに3バンドEQ、ピッチシフト、スピードが加わります。あるパッドを変えてもほかのパッドには影響せず、元のファイルが書き換えられることもありません。各サウンドの始まりと終わりにはごく短いフェードが自動でかかるので、クリックノイズが出ません。

LitPadsは幅広い音声形式に対応しています。MP3、WAV、AIFF、M4A、FLAC、AAC、CAFです。ファイルは「ファイル」App(iCloud Drive、Dropbox、Google Driveを含む)、Finderからのドラッグ&ドロップ、内蔵のマイク録音から読み込めます。

LitPadsは、パッドを押したときではなく、ボードを開いたときにそのボードのサウンドを読み込みます。レイヤーモードでは、1つのパッドで同じサウンドを最大4つまで重ねて鳴らせます。指ドラムを高速で叩くミュージシャンにとって重要なポイントです。

Macのサウンドボードソフトで音声のルーティングはどうしますか?

Macでは、アプリだけでは、ほかのアプリの音をマイクとして受け取れません。LitPads、Farrago、Podcast Soundboardはいずれも、別の仮想オーディオドライバーを使ってOBS、Discord、Zoomに音を届けます。無料のLitLinkドライバーならスイッチ1つで設定できます。BlackHoleは手動で設定する無料のドライバーで、Loopbackは99米ドルです。

おすすめ:LitLinkは、マイクのパススルーを内蔵し、複数出力装置を自動で作成する無料の仮想オーディオドライバーです。Audio MIDI設定を手動で操作する必要はありません。

LitLink(無料)BlackHole(無料、手動設定)Loopback(99米ドル)

いちばん簡単なのはLitLinkを使う方法です。LitLinkはMac用の無料の仮想オーディオドライバーで、複数出力装置を自動で作成し、マイクのパススルーを内蔵しています。スイッチ1つで、サウンドボードと自分のマイクの音を、音声入力を受け付けるあらゆるアプリに届けられます。かつてはSoundflowerがこの役割を担っていましたが、開発者は非推奨としており、2014年以降リリースがなく、Apple silicon搭載Macにも対応していません。

BlackHoleで音を送りながら自分でも聞くには、Audio MIDI設定で複数出力装置を手作業で作る必要があり、BlackHoleのガイドではこれを5つのステップで説明しています。自動で設定できるBlackHoleの代わりのツールなら、この手順は必要ありません。

Farragoの音声をほかのアプリに送るために、Rogue AmoebaはLoopback(99米ドル)を販売していて、FarragoとLoopbackは公式バンドルで合わせて123米ドルです。LitPads(¥5,000)と無料のLitLinkドライバーなら合計¥5,000です。

機能が最も充実したMacのサウンドボードソフトは?

自分のサウンドをパッドごとに細かく調整して鳴らすなら、LitPads Proには、スペクトラムアナライザー付きのパッドごとのパラメトリックEQ、ピッチシフト、MIDIコントローラー対応、キューリスト、グローバルホットキー、オーディオダッキングが¥5,000の買い切りで含まれ、Mac、iPad、iPhoneで使えます。Soundplantもキーごとのエフェクトを備え、Farragoはシンプルなタイル再生とリスト再生向けに作られています。

Macにおすすめのサウンドボードで、機能の違いをすべて紹介しています。要点をまとめると、LitPads ProにはパッドごとのEQ、ピッチシフト、時間指定で進むキューリストがあり、これらはFarragoのマニュアルにもSoundboard Studioのストアの説明にも記載がありません。それでも各アプリには独自の機能があり、たとえばFarragoにはOSC操作、Soundboard Studioにはトラックオートメーションがあります。

キューリストは、手動、自動、時間指定でサウンドを決まった順番に再生するので、演劇、礼拝、進行の決まったライブイベントに向いています。LitPadsはパッド型サウンドボードとキューリストを、手頃な価格の1つのアプリにまとめています。

Macで使える無料のサウンドボードソフトはありますか?

LitPadsには無料版があり、6ボード、ボードごとに20パッド、リトリガーモード付きのすべてのトリガーモードと再生モード、ファイルの読み込み、録音、バックグラウンド再生、パッドの検索を期間の制限なく使えます。Soundplantにも非商用向けの無料版があります。

LitPads Freeなら、6ボードで120パッド、すべての再生モード、バックグラウンド再生を無料で使えます。

無料版には、パッドごとのEQ、ピッチシフト、MIDI対応、キューリスト、グローバルホットキー、オーディオダッキングは含まれません。これらの機能は¥5,000のProアップグレードで使えるようになります。買い切りで、サブスクリプションも広告もなく、アカウントも不要です。

Farragoには無料版がなく、無料トライアルだけです。トライアルでは、起動ごとに20回再生すると音声がわざと劣化します。Soundboard Studioは無料でダウンロードでき、Proなしでは4ボードと24トラックまでに制限されています。

DJをするMarcel Iseli
Marcel Iseli

インディー開発者 · DJ · プロデューサー

LinkedIn

Marcel Iseliは、DJとして、また音楽プロデューサーとして20年以上ターンテーブルとスタジオに向き合ってきたインディー開発者です。ヒップホップ文化に根ざし、ドラムマシンやサンプラー、ヴィンテージのオーディオ機材を集めています。LitPadsはそのこだわりから生まれました。長年ハードウェアでサンプルを鳴らしてきた経験から、ずっと欲しかったソフトウェア版を自分で作ったのです。